無名雑魚の歩み2

一部脚色がありますし、既出内容多めです。

 

高校受験を無事に終え、高校の入学式まで特にやることのない暇な春休みを過ごしていました。

 

リビングの親のPCで親のいない間にネットサーフィンするのが唯一の生き甲斐で、高校生になるにあたり、高校生のうちどのくらい人がキスをしたことあるんだろうか、とか、どのくらいの人が交際してるんだろうかみたいなことをYahoo!知恵袋でひたすら調べてました。

(※小4から中3まで好きだった優子とは別の高校に行くことがわかっていたため優子のことはあきらめていました。)

 

ちなみに、親がいない間にしかネットサーフィンしなかった理由は親にそんなことを調べているのがバレたら恥ずかしいからなのですが、検索履歴や閲覧履歴でモロわかりだったことに気がつきました。

 

それからは親に見られたくないことを検索するときはかなり不便でしたがPSPのブラウザで見るようにしました(ガラケーの時代なのでスマホはない)。当たり障りのないことは継続してPCで見ていました。

 

ある日、いつものようにPCでネットサーフィンをしている時にEvery Little Thing(以後ELT)のDear My Friendという曲の動画にたどりつきました。聞いたことのある曲ではありましたが、曲名やアーティストは全く知りませんでした。親が90年代JPOPを車内で無限に流していたのでその時に聞いていたのだと思います。

 

https://youtu.be/MTaYGTO_ELs?feature=shared

 

この曲がけっこう良いなと思い、ELTの他の曲のPVを片っ端から見ていきましたが知っている(聞いたことある)曲ばかりで、「あ、これってこの人達の曲なんだ」という点と点が繋がった感じがなんとなく感動したのと、ボーカルのビジュアルと人柄に惹かれてELTにドハマりしました。それからはひたすらPVを見る日々になりました。

 

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ハチミツキンカンのど飴のcm

 

 

そんな中ついに入学式を迎えました。同じクラスには中学の同級生は1人もおらず、本当に友達0からのスタート。小中はほぼメンバーが変わらなかったので初めての境遇にとても緊張していました。入学式は体育館で行うので体育館に移動し、大量に並べられたパイプ椅子のうちの1つに座りました。このとき、体育館にはほぼ一番乗りで移動しており後から入ってくる一年生の波をぼーっと見ながら待っていました。

 

その波の中にELTのボーカルにすごくよく似ている子を見つけました。もう一瞬でその人のことが気になり始めました。仮名をカオリとします。

その時のカオリの印象はおとなしそうだなぁという印象でした。

 

残念なことにカオリは違うクラスでした。部活も、私はバスケ部でカオリは弓道部だったので全く接点はありません。かなしいなぁと思ってました。

 

 

それからしばらくして高校に入って初の定期テストを迎えました。中学の時はほとんど授業を聞いていただけで学年1桁だったので同じノリで臨んだら360人中225位でした。中学よりも周りのレベルが高いし、授業の進みや科目数も中学より早いし多いので同じでは通用しないんだなということはこの時理解できました。

 

 

進学校特有なのかどうかわかりませんがテストの成績上位者が全教科集計後に廊下に貼られました。私は論外なのでどうでもいいやって思ってたのですが、なんとなく見てみるとカオリが6位でした。すげぇ、なんだこの人。

 

カオリと同じクラスにバスケ部の友達がいたので噂で聞いたのですがカオリは帰国子女で英語が最強にできるみたいでした。か、かっけえ。しかも英語だけじゃなくて全教科ちゃんとできる。

 

一度も話したことがありませんでしたがもうカオリのことが超超超気になっていました。

 

とはいえ、特に接触もなく時間だけが過ぎました。私は高1にしてバスケ部の友達から麻雀を教えてもらってしまい、部活後に最終下校時刻を無視して部室で麻雀しまくっていました。

 

最終下校時刻を過ぎると門が閉まってしまうため毎回自転車をみんなで協力して持ち上げて門の外に出し、門を乗り越えて下校してました。何度か先生に見つかりましたが本当に運のいいことにいつも逃げ切れました。

 

成績は当然右肩下がりで1番ひどい時には360人中330位を叩き出してしまいました。驚くことにこんな順位でも麻雀メンバーの中では1番上でした。一方、同じクラスにはバスケ部のメンバーが2人いたのですがその2人は成績がよく、30位くらいにいたので私はゴミのような扱いを受けてました。

 

 

そして2年生になりました。2年生からは文系理系でクラスが別れます。1〜4組が文系、5〜9組が理科。私もカオリも理系でしたが今年も違うクラスでした。

 

2年生になっても成績はひどいままで、2年生最初の定期テストは理系200人中170番でした。順位について焦りの感情はなかったです、だって勉強を全くしてないのですから。まあ当たり前だよなぁって思ってました。勉強しててこの順位なら焦りますが。

 

このテストの結果を見せたとき、ついに親にブチ切れられました。その日はガミガミガミガミネチネチネチネチしつこいので私も頭にきてしまいました。本当に本当に本当に本当に本当に怒りの感情100%になって、ある決意をしました。

 

 

そんなに言うなら勉強していい順位とってそのうるせえ口を黙らせてやるよ。と決心しました。この決意は親には言ってません。ギスギスした以上は必死に勉強している姿を見られるのも嫌でしたし、必死に勉強していることがバレてるのも嫌でしたし、なんの気配もなく突然いい順位を取って見返したかったからです。

 

ふざけ半分を装いながら次のテストで30位以内に入ったら2万円もらう約束を取り付けました。無理だろって笑われました。

 

決意の理由は親を見返すこと以外にあと2つありました。

 

1つ目はバスケ部内で1番成績の良かったA君がテスト返しの時にいい気になっているのが気に入らなかったのでその鼻を折りたいと思ったこと。

 

2つ目は成績上位者が貼り出されるシステムなので普段常連の奴らをさしおいて突然私が1位になったら世界をひっくり返したような気分になれるし、カオリに認識してもらえるかもしれないと思ったこと。

 

目標は1位。

 

全ての時間を勉強に注ぐために必要なモチベーションは揃ったのでテストの成績返却のその日から、次の定期テストに向けた私の密かなテスト勉強が始まりました。

 

 

部活終わりにやっていた麻雀は「わりい、帰らんといかん」とか訳の分からんことを言って全部断り、親に勉強していることを悟られないために21時まであいてる公共施設で閉館まで勉強する日々がスタートしました。帰宅時間は麻雀してた頃と変わらなかったので、親には今日もバカ達と麻雀しとったとか言ってごまかしてました。

 

帰宅したら飯食って風呂入ってELTの曲を聴きながら22時に寝る。これの繰り返し。

 

けっこうだらしない性格なので授業でもらったプリント類はぐっちゃぐちゃにするタイプなのですが、ポケットがいくつもあるファイルを買って科目ごとにちゃんと整理し始めました。新たな習慣は、自分は今までとは違うんだぞという気持ちのサポートになりプリントが整理できるようになったこと以上にこのとき効果があった気がします。

 

 

いよいよテストが近づいてきました。テストが近づくにつれ、勉強時間確保のため家でもこっそり勉強するようになりました。以前に私がキレたことがあり、親が私の部屋に急に入ってくる心配はないのでおそらくバレません。

私の高校ではテストの2週間前からは日々の勉強時間を記入する紙が運用され、2週間分記入できる紙が毎朝配られるので前日の勉強時間を記入したらすぐ回収という形で1日ずつ書き足していきます。

 

配る時に前の席の人が自分の紙だけ取って残りを後ろの席に回していくありがちなシステムなので他の人の紙が見れてしまいます。

 

だいたいの人は2週間で50〜60時間くらいだったのですがその時の私は100時間を超えていました。※記入するのは"学校以外"で勉強した時間です。

 

定期テストの際には各教科でテスト課題として問題集の何ページから何ページをノートに解いて提出しなさいといった課題が出されます。だいたいこれもテスト2週間に課題範囲が発表され、1年生の頃の私なら前日に答えを見ながら丸写ししてギリ提出みたいな感じでしたが、この時は違います。

テストの2週間前なんて全教科のテスト範囲の問題集をほぼ解き終わっています。ここからテストまでの2週間は問題集をすでに全部一周やってみた上で解けなかった問題や難しい問題を対策するフェーズと考えていたのでそこに時間を使いました。

 

 

そしてテスト当日。

緊張はありませんでした。むしろこんなにテストが楽しみだと思うことは初めてでした。全教科そこそこできました。

 

 

1科目ずつテストが返却され、思ったより点が伸びていないことに萎えました。

 

 

そしてついに順位発表の日

私は15位でした。

 

 

テストの順位を親に見せました。

親はあまり表情を変えませんでしたが、悔しそうにも嬉しそうにも見えるなんともいえない表情をしていました。

 

私は約束どおり2万ちょうだいと言いました。2万円を本当に払うことになると思っていなかった親は無言でヘソクリの封筒から2万円を抜き取り私に渡しました。

 

ちなみにバスケ部内での成績は1位でした。

いつも低い点数の自慢をしあっていた麻雀メンバーは引いてました。A君をわからせることもできました。

 

とても気分が良かったのですが、心残りもありました。1位という目標は達成できませんでした。仮にも市内で1番偏差値の高い高校だったので上位の人達はバケモノじみており、これは勝てないなと思ってしまいました。

 

カオリに認識してもらえたかどうかは不明です。

 

 

 

時は流れ高2の夏休み

バスケ部の友達の家に部活メンバーでお泊まりイベントをしました。

当然夜更かしをするわけですが、なんとなく王様ゲームがスタートしました。(※女バスはいません。男だけです)

 

好きな人を発表する的な指示が多く、中学の頃から何も成長していない私は「(絶対言いたくない、どうしよう、、、)」とビクビクしていました。

 

無常にも私は好きな人発表することになり、バスケ部全員に私がカオリのことが好きだとバレてしまいました。死にたかったです。

 

ただ、なんとなくなにかが吹っ切れたような気がしてカオリにメアドを教えてもらうことにしました。(本当に意味がわかりません)

 

ある土曜日、決行しました。

その日はバスケ部も弓道部も朝から部活があり、だいたい半日で終わる部活がほとんどなので弓道部も昼に帰るだろうからそこを狙うことにしました。自分の部活が終わるとさっさと片付け、カオリが通るのを待っていました。一度も話したことすらないのです、待っている間は緊張し過ぎて一生来ないでくれとすら思いました。

 

ついに、カオリが友達と2人で歩いてきました。

 

私「あの、カオリさんメアド教えてもらえませんか」

 

カオリ「え、な、なんでですか?(すごく怪訝そうな顔)」

 

私「あの、実は前から綺麗な人だなぁと思ってて」

 

 

 

 

 

 

 

なんかメアド交換してもらえました。

 

 

 

 

 

 

メールをしているとカオリはジャンプの漫画をよく読んでいるとのこと。私はジャンプ漫画を全く読んでいませんでしたが友人に無理言ってディーグレイマンを貸してもらって話題にしてました。

 

 

残念ながらあんまり盛り上がる感じにはならず、学校でもそれ以来一度も話せませんでした。

 

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。