無名雑魚の歩み

 

中学の時、3人の女の子から告白されました。

 

 

1人目 ハルカ

中1の時でした。

ハルカは同じ小学校でしたが、一度も同じクラスになったことはありませんでした。私の中学校は私が通っていた小学校出身の生徒が99%を占めており、同じ学年にいた約100人が9年間を一緒に過ごしました。当然ハルカのことも知っていました。

 

ハルカは背が高く、明るく、運動が得意な子でした。めちゃくちゃ足が速くて男子より速かったので特に目立っていました。運動会では確実に選抜リレーの選手だし、校内マラソン大会では絶対5位以内にいました。

 

知ってはいたけどほとんど話したことはなく、中1で同じクラスになって席替えで私の前の席がハルカになった時によく話すようになりました。

わざとあくびをしまくって目に涙を溜めてどっちが先に涙を流せるかとかくだらないことをして遊んでいました。大馬鹿なことに授業中もそれをやっており、涙を流せた私は早く自慢したくて前の席のハルカの背中をツンツンして報告したりしていました。先生にバレて私のせいでハルカまで怒られていました。

 

ある日、ハルカから手紙をもらいました。どこでどんなふうにもらったかは覚えてないのですが、それはラブレターでした。

 

私は違うクラスにいた優子という女の子のことが好きだったこともありハルカは友達としか思っていませんでした。というか、優子のことが好きでしたが時々話をしたり、遠くから見ているだけで幸せだったので付き合いたいとか2人きりになりたいとかは思ったことがなく告白しようと思ったこともありませんでしたし、付き合うってことがなんなのかもよくわからなかったです。

 

加えて、中学の色恋沙汰は周りからすごく茶化しの対象になります。私はそれがすごく苦手でした。だから優子のことも遠くから見ているだけにしようと思っていましたし、時々話せたりしたらラッキーくらいに思ってました。

 

ハルカから好意を伝えられた私でしたが、どうしたらいいのかわかりませんでした。ハルカのことは友達として好きでしたが、正直告白に対する感情は「無」でした。

 

結局私はハルカに返事ができませんでした。

ラブレターをもらったあと、ハルカとの関係の変化については覚えていません。よく話す友達のままだったのかギクシャクしたのかすらわからないです。

 

今思えば本当に取り返しのつかない申し訳のないことをしたと絶望すらします。きっと勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれたはずなのに私はその気持ちに、その勇気に対等に応えられませんでした。幼さゆえ仕方なかったのかも知れませんが時々思い出しては胸が締め付けられます。

 

 

 

 

 

2人目 アユコ

中1の時でした。

アユコは小柄でしたがめちゃくちゃ元気な吹奏楽女子でした。クラス内では男子から1番人気のある子でした。

 

アユコとは小学校も何度か同じクラスになったことがあり、そこそこ話す仲でした。

 

多分夏頃だったと思います。席替えでアユコと隣の席になりました。1番窓際の1番後ろ。当時放送していた山Pと長澤まさみ主演のプロポーズ大作戦というドラマをお互い見ており、その話でいつも盛り上がっていました。

 

ちょうどその頃、学校行事でキャンプがありました。キャンプの班は席の近い人達で構成することになっていたのでアユコとは同じ班になりました。班員は5人で男2女3でした。私じゃない方の男子はクラス1おとなしく引っ込み思案な子だったので女子が私ばっかり頼ってもう1人の男子の10倍くらい働かされました。キャンプのことはそれ以外あんまり覚えてなくて、当時学級委員だったのでキャンプファイヤーの準備や進行をさせられて余計に忙しかった気がします。

 

 

キャンプが終わって席替えし、席が離れましたがアユコが勉強を教えてくれって私のところによく来るようになりました。アユコは学年100人中10番台で成績がいいほうなので、教科書とか問題集の例題見りゃお前ならわかるだろって思ってましたし、先生や仲良い女子にでも聞けばいいのになんでわざわざ聞きに来るのかなって思ってました。もしかしてアユコは私のことが好きなのかな?ってこの頃少し思ってました。

 

 

季節は流れて冬。12月の定期テストで私は親とある約束をしました。それは、学年5位以内に入ったらケータイを買ってもらうというもの。当時はクラスの3〜4割の人がケータイを持っていました。やっぱり、ケータイを持っていて帰ってからもメールや電話をしてる人達がなんとなく羨ましくて私もケータイがほしくなっていました。

 

無事に5位以内を達成し、ケータイを買ってもらいました。一生懸命自分のメアドを考えたのが懐かしいです。私のケータイに対する認識は、放課後に友達の家に遊びに行ったりするときの連絡手段という認識だったのでよく遊ぶ同じ部活の友達にしかケータイを買ってもらったこともメアドも教えていませんでした。学校にケータイを持っていくのは禁止だったのでメアドを書いた紙を学校で渡して登録してもらいました。

 

そして、ある日突然アユコからメールが来ました。なにやらテンションの高い文面でメアド聞いたぜよろしくみたいな感じでした。アユコは中学に入学した時からケータイを持っていました。どうでもいいですがアユコが誰からメアドを入手したのかはいまだに不明です。

 

メールしているうちに私の家で遊びたいと言い出しました。それ自体はなんとも思わなかったので私の家でスマブラをときどきやってました。私と2人だけで遊んだことは一度もなく、絶対私の友達とアユコの友達を含んだ4人で遊んでました。なぜそうなってたのかは全然覚えていません。

女の子が家に遊びに来てたことに対して母親が茶化してきたのが死ぬほどムカつきました。そのせいでアユコ達に当たってしまったこともありました。ガキで本当にごめん。

 

雪が降ってめちゃくちゃ冷え込んだある日、家のインターホンが鳴ったので玄関に行くとアユコが立っていました。アユコは上手に包装した手作りのチョコレートを渡してくれました。チョコレートを渡すとアユコはすごい勢いで去ってしまいました。チョコレートを渡す行為の意味は理解していましたが私は応え方がわかりませんでした。

 

後日メールで改めて告白されました。ここでも私は応え方がわからず結局アユコに返事はできませんでした。

 

今思えば本当に取り返しのつかない申し訳のないことをしたと絶望すらします。きっと勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれたはずなのに私はその気持ちに、その勇気に対等に応えられませんでした。返事をどれだけ待っただろうか、3/14をどんな気持ちで迎えただろうか、考えると気が狂いそうになります。幼さゆえ仕方なかったのかも知れませんが時々思い出しては胸が締め付けられます。

 

 

 

 

3人目 ミサ

中1の時でした。

ミサは小6くらいの時に転校して来た子で、他の子たちとは違って知り合いがまだ少ない子でした。一方、テニス部に所属していて日焼けが健康的で活発なスポーツ女子でもありました。

 

私は野球部だったのですが、野球部のグラウンドとテニス部のコートが隣合っており、お互いの様子がよく見える環境でした。休憩の時などは同じ水道を使うのでそのときに時々話す仲でした。お互いの先生や先輩の愚痴をたまたま言い合ったことがあってそれから話すようになりました。クラスも同じでしたが、教室で話すことはあまりなかったです。

 

ある席替えでミサと隣の席になりました。これがきっかけで教室でも話すことが増えました。

科目によっては授業中に小テストがありますが、解き終わったら隣の人と交換して採点をし、採点したら返すというのが私の中学校のシステムでした。私は大抵満点だったのですがミサが「たきなヒーローまた小テスト満点なんだけど、めっちゃすごくない?」って周りによく言ってました。当時は気分がいいなぁくらいにしか思ってませんでしたが、今思うと一生懸命持ち上げてくれてたのかなぁって思ったり、あるいは単純に驚いてただけなのかなぁって思ったり。

 

隣の席になってから、なんとなく部活中にミサが野球部のほうをじーっと見てることが増えた気がしました。他の子は日陰とかで休憩してるのに明らかに1人だけ野球部を見てる。どうしたのかなぁと思ってました。

 

 

ある日、それは突然のことでした。

教室での休み時間中、隣の席のミサが

 

ミ「たきなヒーローって好きな人いるの?」

 

た「い、いないよ(大嘘&びっくり」

※中1というこの繊細な世界で、好きな人がいるだなんてこと言えるわけがありません。と私は思ってました。今思うと不思議ですね。

 

ミ「そうなんだ」

 

た「う、うん(動揺」

 

ミ「野球やってる人ってさ、かっこいいよね」

 

た「そうかなぁ。(もしかしてミサは野球部に好きな人がいるのかなぁ)」

 

た「ミサは野球部に好きな人がいるの?」

※中1は心の声が口から出る生物なのです

 

ミ「うん、そうだよ」

 

た「え、そうなんだ!もしかしてA?」

※Aは学校で1番モテてた運動神経抜群人望最強フルスペックイケメン。

 

ミ「違うよ」

 

た「B?」

ミ「違う」

 

た「C?」

ミ「違う」

 

・・・

 

た「じゃあKか!あと言ってないのKだけだもん」

ミ「違う」

 

た「え???」

ミ「まだいるじゃん」

 

た「うそ?A.B.C.......いや、全員言ったぞ」

ミ「まだ言ってない人いるって」

 

た「.........................................?!」

 

た「...............俺?」

ミ「うん」

 

た「」

 

 

 

 

本当にびっくりしました。

何が起こったのかわかりませんでした。

 

 

このあと、はっきりと告白されました。

しかし、私は応え方が分からず困惑していました。

 

 

結局私はミサに返事ができませんでした。

ミサとは結局ギクシャクしてしまったことだけを覚えています。

 

今思えば本当に取り返しのつかない申し訳のないことをしたと絶望すらします。きっと勇気を振り絞って気持ちを伝えてくれたはずなのに私はその気持ちに、その勇気に対等に応えられませんでした。幼さゆえ仕方なかったのかも知れませんが時々思い出しては胸が締め付けられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

アニメの見過ぎで昔のことを最近よく思い出すのですが、本当にひどすぎて嫌になります。

 

もし今の脳みそのまま当時に戻れたら、、って何度考えたか。

 

ただ、もう過ぎてしまったことはやはりどうしようもないです。やりきれない思いと過ごすしかありません。

 

きっと、当時とてつもなく悲しくつらい思いをさせてしまったであろう分の罰なんだと思います。